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OpenWindow vol​.​2

by Madobe Rika

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    Purchasable with gift card

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1.
ばく 04:45
豚の死体に沸いた蛆と蝿だけで白黒の部屋で アダマンタイトのナイフとフォーク 世界征服の肉を食べる アノマロカリスを飼いたな 結婚式はエリア51で ノアの箱舟で連れ出して 深層ウェブからムー大陸へ 人類未踏の楽園で コーラのレシピを知りたいな みんなで手を取り踊りましょ レプティリアンも秘密警察も 金の飛行機に飛び乗って 灰被りの街を見に行こ 夜はモスマンの背に乗って お母さんに会いたいな イルカの夢から繋がる部屋は 誰も救えない防空壕 科学と心の戦争は 盲目少女の夢の果て 目が覚めたら 私、蝶になる夢 そうして地球の丸さを知る事になるのさ UFOが落ちる屋上から救助 夢遊病の宇宙人 私雨に濡れた傘翻し、アンテナを立てて電波を待った グルメのバクのお腹が鳴る 食べても食べても飽き足りないな 昔の夢は何だっけな今では何も思い出せないな 愛した人がいたんだっけ 誰かに愛されていたんだっけ 私の名前は何だっけ なにもわからなくなってしまうよ 瞼の裏レイトショー 油絵で描いたような夢 虹色の羊 ネオンの光 愛を知りたいアンドロイド 天気予報は嘘をついて 土砂降りの雨が降る 公園に描いた相合傘も水に溶けてしまうよ 図書館の奥の禁書庫で この世の始まりと終わりと 不浄の言葉 隕石の秘密 神が営むサナトリウム 三月兎、毒のプール 真実は海の底 シーラカンスもアイアンメイデンの夢を見るのか 隙間覗いて見えた宇宙で バクが手を振って笑うんだ イヤホン越しに「さよなら」って 片道列車に飛び乗った
2.
天井奇譚 04:22
ああ空と私を隔てる壁が落ちてくる夜は 羊を数え腹を満たす パパもママも寝静まった カメラ・オブスキュラ・ユース 繋がれた菅の先で 跳ね回っては切れるナルコレプシー 嘘吐きなインコ 覚えたての言葉で毒を吐く 傷つくことは怖くないけど 優しくされるのは怖いな 中国製のブリキのヒーロー 錆色のネジを巻く ありったけの思い出をお菓子箱いっぱいに詰め込んだ 二足歩行のライオンさん 私を連れてどこへ行くの 星が揺れるのは歩いてるから もう大丈夫だよ ねぇ息もできてるよ 知らない街の風車の音 誰かの夢が叶う音 ハッピーメリークリスマス 窓越しに雪が見えた ハッピーニューイヤー どこかで誰かが笑ってる 今日はちょっとだけ 調子がいいから 夜になったら星を見にいこう 名前のない星の数 幸せを数えてみよう 私がいつかいなくなったら 私の全てを誰かのために 横たわるだけの私と あなただけの約束よ パパ、ママ、私、雨、悪魔の群れ セゾン、サロメ、堕落論、かく語りき 明日のない夜が白を帯びて 指でシミをなぞった 忘れないように 朝目が覚めたらもういないけど 悲しい涙は流さないで
3.
街明かり 華やか エーテル麻酔 の 冷たさ 眠れない 午前二時 全てが 急速に変わる オイル切れのライター 焼けつくような胃の中 全てがそう嘘なら 本当に よかったのにね 君の首を絞める夢を見た 光の溢れる昼下がり 君の細い喉が跳ねるのを 泣き出しそうな眼で見ていた 核融合炉にさ 飛び込んでみたい と思う 真っ青な 光 包まれて奇麗 核融合炉にさ 飛び込んでみたら そしたら すべてが許されるような気がして ベランダの向こう側 階段を昇ってゆく音 陰り出した空が 窓ガラスに 部屋に落ちる 拡散する夕暮れ 泣き腫らしたような陽の赤 融けるように少しずつ 少しずつ死んでゆく世界 君の首を絞める夢を見た 春風に揺れるカーテン 乾いて切れた唇から 零れる言葉は泡のよう 核融合炉にさ 飛び込んでみたい と思う 真っ白に 記憶 融かされて消える 核融合炉にさ 飛び込んでみたら また昔みたいに 眠れるような そんな気がして 時計の秒針や テレビの司会者や そこにいるけど 見えない誰かの 笑い声 飽和して反響する アレグロ・アジテート 耳鳴りが消えない 止まない アレグロ・アジテート 耳鳴りが消えない 止まない 誰もみんな消えてく夢を見た 真夜中の 部屋の広さと静寂が 胸につっかえて 上手に 息ができなくなる 核融合炉にさ 飛び込んでみたら そしたら きっと眠るように 消えていけるんだ 僕のいない朝は 今よりずっと 素晴らしくて 全ての歯車が噛み合った きっと そんな世界だ
4.
今、目を開いたまま眠ったあなたを撫でている こうして病室に2人 時は止まったまま カナリア 窓に身を投げて 風が鳴り「ヒュルリゆらり」羽が弧を描き落ちてゆく 機械は熱を帯び続け 絶えず自壊を繰り返す 私は床に耳をたて、雲の足音を聞く 正しい言葉を使って 指を指す 「一人二人」厭な気持ちだけ縁取られて ここは何もない場所だ あなたはいつか忘れてしまう 空の穴に紙の月 夜の海が哭いていたんだ 「ふと、こんなことを思った あなたにとっての黒色が わたしにとっての白色で あなたにとっての白色が わたしにとっての黒色で どちらの色も美しいと感じる心があったとして 私たちが互いの違いに気付く日はくるのだろうか 私たちは互いの景色も知らないままに 全てを知ったような顔をするのだ 私はあなたのことを何も知らない あなたは私のことを何も知らない あなたから見たわたしは何に見えるだろうか 私にとってあなたは何に見えるべきだろうか   私たちは一つになれないから それが悲しくて傷つけあう 互いのことを知りたくて それが楽しくて愛し合う 私は この世界の終わりを知っている この世界の終わりは 全ての心が一つになった世界 急速に感情の共有が発達し、互いのまつ毛の本数までわかるほどに人類は進化した 肌や髪や瞳の色が異なっても、いつでも心で通じ合える平和な世界 その世界は美しく その世界は寂しくて その世界は静かだった いつしかその世界の人たちは自らの体を傷つけるようになった 最初は意を唱えられたその行動も、皆が理解するようになってからは次々と同じように命を投げ捨てた 最後に残った数少ない人達は皆、産まれたままの赤子のように白痴そのものだった 彼らは幸せの意味も 生きる理由も考えることなく笑顔で生き絶えることができたという 誰もいなくなった世界は たちまち心を持たない生き物達で溢れ出した この世界の終わりを知っている この世界の終わりを知っている 私たちは偏在する 私たちは統合する 私たちは癒着する 誰かが心を覗いている 世界はゆっくり終わっていく」
5.

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released August 29, 2021

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